~monologue de sommelier(ソムリエのひとり言)~  ワインと料理の相性

ワインと料理の組み合わせはフランス語で「mariage(マリアージュ)」と言い、専門的に突き詰めて行くときりがありませんが、解り易くは大きく分けて3通りに分けられます。

①同方向性の組合せ   ②反対性の組合せ   ③相乗性の組合わせ

…がそれに当たります。

①は一番一般的なマリアージュで、同系の香りや味の物を合わせる事を指します。つまり甘い物に甘いワインを合わせたり、スパイシーな物にスパイシーなワイン、ハーブを使った料理にハーブの香りのあるワイン、酸味のある物に酸味のしっかりしたワインを合わせるなど同系統で合わせる事です。最も用いられる無難な組合せす。

②はその名のごとく真逆の物を組合せます。塩辛い物と甘いワインとか、辛い物に甘いワイン、熱い物に冷たい物など逆の味を持ってくる事でその物どうしの味を引き立て合います。アンコに少し塩を入れる事で甘さを強調するような意味合いです。当たるとかなり美味しいのですが、ハズレる確立も多いのが難点です。

③はその物どうしが組合わさる事によって、その味が数倍にも膨れ上がると言う最も美味と呼ばれるマリアージュですが、専門知識がなければ厳しいと言われる組合せです。代表的なものでは昆布と鰹節の出汁を合せるようなアミノ酸どうしの組合わせによって、その物単体でも美味しいのですが、その味が数倍にも膨れ上がると言うものです。因みに昆布と鰹節の出汁が組み合わさると6〜8倍味を強く感じるようになると言われております。しかしこれは科学的な知識や、食の専門知識が必要ではあります。因みに伝統的な食と酒の組合せに多く見られます。

新しいマリアージュの発見方法は、とにかく「これにはこれ」と決めつけず色々と試してみることが一番です。新たな発見は意外なところから見つかることが多いのものです。

でも普段の美食生活の中でもハズしたくない時もあります。その時に専門知識が無くても無難に合わせる方法は、料理の色とワインの色を合わせる事です。白っぽい料理には白、赤からオレンジっぽい料理にはロゼ、茶色から黒っぽい料理には赤、といった感じです。肉に赤、魚に白といったマリアージュは味わいの構成上は間違いではありませんが、構成の中のフィニッシュの方に重きがあります。しかし一般的にはアタックで合う合わないを判断するケースが多く、それにはソースやタレ、調味料や調理法が大きく影響します。そしてこれらは色に反映される事が多く、その色はワインの色にも合致する事が多いのです。勿論100%ではありませんが、結構な確率で合う事が多いので是非お試し頂ければと思います。